PixAI攻略本

参考画像・キャラ参照・Reference Pro は何が違うのか — 「欄が出てこない」には理由がある

SDXL 系DiT 系なぜ SDXL 中心なのか

最終更新 2026-09-07

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目次(8 項目)

PixAI で画像を参考にして生成しようとすると、最初にぶつかるのは使い方ではありません。欄が見つからないことです。

原因のひとつは、モデルの選び方にあります。

フラッグシップを選ぶと、参照が使えなくなります

公式ドキュメントは、Tsubaki.2 が参考画像に非対応だと表で明示しています。そしてその同じページが、Tsubaki.2 を「フラッグシップモデル」と呼んでいます。

つまり公式がいちばん上に置いているモデルを選ぶと、参照の欄が消えます。 良いものを選んだのに機能が減るので、設定を探しても出てきません。

参考画像を使いたいなら、SDXL 系(Haruka v2 など)を選んでください(モデル選びの記事)。あるいは、あとで説明する Reference Pro です。

画像を渡す方法が、複数あります

PixAI には画像を渡す入口がいくつもあり、名前も置き場所もそろっていません。

名前 どこにあるか 何をするか
img2img 編集ツールの3モードのひとつ マスクなしで画像全体を参照して新しく生成する。Strength で変化量を決める
マスク/ブラシ 同じく編集ツール 塗った範囲だけ描き直す(破綻の直し方)
参照 生成画面のツールバー モバイル版のツールバーに「参照」という項目がある
Reference Pro モデルの一覧(機能ではなくモデル) 画像を最大10枚渡して、自然言語で編集を指示する
LoRA LoRA の一覧 画像から学習させる(キャラ固定の記事)

ここに落とし穴が2つあります。

  1. Reference Pro は機能ではなくモデルです。 ツールを探しても出てきません。モデルの一覧から選びます
  2. 公式ドキュメントに「キャラ参照」という項目の説明がありません。 生成画面のツールバーには「参照」があり、編集ツールには img2img があり、モデルには Reference Pro がある。呼び名が場所ごとに違います

そもそも、画像で何を渡しているのか

ここを押さえると、名前の違いに振り回されずに済みます。画像を渡す方式には、渡しているものが違う3つの型があります。

型1: 出発点として渡す(img2img)

拡散モデルはノイズから出発して絵にします(ステップ数の記事)。img2img は、そのノイズの代わりに元画像を置きます。

途中から描き始めるので、元の構図も色も明るさも引きずります。Strength は「どこから描き始めるか」にあたり、強くするほど元画像から離れます。

全部が少しずつ移ります。 構図だけ借りたい、色だけ借りたい、という指定はできません。

型2: 空間の指示として渡す(ControlNet 系)

ControlNet の論文は、目的をこう書いています。

We present ControlNet, a neural network architecture to add spatial conditioning controls to large, pretrained text-to-image diffusion models.

空間的な条件づけです。輪郭・深度・人体のポーズといった「どこに何があるか」を別経路で渡します。仕組みも独特で、

ControlNet locks the production-ready large diffusion models

元のモデルは固定したまま、その複製を条件用に学習させる。壊さずに足す設計です。

この型が渡すのは位置であって、色や絵柄ではありません。ポーズだけを借りたいときはこれになります。

PixAI には ControlNet があります

⚠️ 公式ドキュメントに記述がありませんが、生成画面には ControlNet の項目があります(2026年9月6日にアプリで確認)。Method として4つ選べます。

Method 何を抜き出すか
OpenPose(棒人形) 人体の関節の位置
OpenPose Full(棒人形) 関節に加えて、手と顔の細かい点
Canny(線画抽出) 輪郭線
Depth(深度情報付き) 手前と奥の距離

ポーズだけを借りるなら OpenPose、構図と輪郭ごと借りるなら Canny、奥行きを保ちたいなら Depth という使い分けになります。手の形まで指定したいときは OpenPose Full です。

⚠️ クレジット消費と、どのモデルで使えるかは確かめていません。 ツールを有効にすると消費が増えるとは公式が書いています(クレジットの記事)。

型3: 見た目の特徴として渡す(IP-Adapter 系)

IP-Adapter の論文は、問題設定からして正直です。

it is very tricky to generate desired images using only text prompt as it often involves complex prompt engineering.

言葉だけで狙った絵を出すのは無理がある、と言い切っています。そこで画像を渡すのですが、渡し方に工夫があります。

separates cross-attention layers for text features and image features

言葉の経路と画像の経路を分ける。 混ぜないので、テキストの指示を殺さずに「見た目」だけを足せます。しかも軽い。

an IP-Adapter with only 22M parameters can achieve comparable or even better performance

そして、この型には実務上ありがたい性質があります。

can be generalized not only to other custom models fine-tuned from the same base model, but also to controllable generation using existing controllable tools

同じベースから派生したモデルなら使い回せて、ControlNet のような道具とも併用できる。

この型が渡すのは絵柄やキャラの雰囲気で、構図ではありません。

余談「参照」という言葉が指すものは、ひとつではない

上の3つは、どれも日本語にすると「参考画像」です。ところが渡しているものが違います。

  • 型1は絵そのもの(全部が少しずつ移る)
  • 型2は位置(ポーズは移るが、絵柄は移らない)
  • 型3は雰囲気(絵柄は移るが、ポーズは移らない)

「参考画像を入れたのに似ない」「似すぎて別の絵にならない」という食い違いは、たいていここです。似せたい部分と、この型が運ぶ部分がずれている。

⚠️ なお PixAI が内部でどう実装しているかは公開されていません。型2にあたる ControlNet は画面に項目があるので存在が確認できますが、img2img や Reference Pro の中身までは分かりません。上は「画像を渡す」という行為に何種類あるかの整理であって、PixAI の実装の説明ではありません。

⚠️ そして型3にあたる項目は、PixAI で見つかりません。 公式ドキュメントにもモデル一覧にも、IP-Adapter やスタイル参照に当たる機能の記載がありません(2026年9月7日確認)。「絵柄だけ借りる」をやりたい場合、いまのところ近いのは Reference Pro に文章で指示する形になります。型3を説明したのは、似ない理由を切り分けるためです。

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Reference Pro は何をするものか

公式の説明を引きます。

PixAI Reference Pro を紹介 —— 複数画像参照、自然言語による編集、4K 高解像度出力を 1 つの編集モデルで。

上の3つの型のどれとも違い、「編集モデル」と名乗っています。渡し方ではなく、画像を読んで指示に従うモデルそのものです。

公式の記載
参照画像 最大 10 枚を同時アップロード可能
使い方 1枚以上をアップロードしてから、変更したい内容をテキストで自然に書くだけ
解像度 2K と 4K に対応
アスペクト比 16:9 / 9:16 / 1:1 / 2:3 / 3:2 / 3:4 / 4:3 / 4:5 / 5:4
解析するもの キャラクター、ポーズ、衣装、スタイル、構図を自動で解析

公式が挙げている編集例が、性格をよく表しています。

立ちポーズを寝ポーズに変えつつ、キャラの見た目・衣装・全体の雰囲気をきちんと維持

変えるものと保つものを、文章で指定する。 上の型2・型3が「ポーズだけ」「絵柄だけ」と機械的に分けていたのに対し、こちらは何を保つかを言葉で決められます。

限界も公式が書いています。⚠️ ただし Reference Pro のドキュメントではなく、けもみみOC一貫性ガイドのほうです(Reference Pro のドキュメントと公式ニュースには限界の記述がありません。2026年9月7日確認)。

once the angle drifts far from the reference, say the reference is a front-facing portrait and you want a high-angle over-the-shoulder look back, the ears and tail go loose again

正面の1枚から、俯瞰の振り向きを作らせると崩れる。 理屈も素直で、正面の1枚に背面の情報は入っていません。10枚まで渡せるのは、そこを埋めるためだと読めます。角度違いを複数持っているなら渡したほうがいいということです(キャラ固定の記事)。

⚠️ ただし、大きな制約があります

Reference Pro は DiT 系です。 つまり SDXL 用の LoRA が一切動きません(モデル選びの記事)。

これは順番を間違えると痛い話です。

キャラ LoRA を自作した人ほど、Reference Pro でそのキャラを扱えません。

LoRA を作るかどうかを先に決めるべきだというのは、この意味でもそうです。

キャラ固定の3段階の、どこに当たるか

同じキャラを出し続ける手段は、段階で整理できます(キャラ固定の記事)。参照はその真ん中です。

段階 手段 向き不向き
1 プロンプトで書く 手軽。ただし細部は毎回ぶれる
2 参照画像・Reference Pro 手持ちの絵から広げられる。学習が要らない
3 LoRA を作る いちばん安定する。ただし素材が十数枚要る

段階2の価値は、素材が1枚あれば始められるところにあります。段階3には「学習に十数枚要るのに、1体目にはその十数枚が無い」という循環があるので、段階2で素材を増やして段階3に渡すという道筋が立ちます。

どれを使うか

やりたいこと 使うもの
手や顔だけ直す マスク/ブラシ(破綻の直し方)
絵全体の雰囲気を変える img2img(Strength で調整)
ポーズだけを別の絵から借りる ControlNet の OpenPose
輪郭・構図ごと借りる ControlNet の Canny
キャラを保ったままポーズを変える Reference Pro
複数の絵を混ぜる Reference Pro(最大10枚)
SDXL の LoRA と併用したい SDXL 系モデル + 参考画像(Reference Pro では LoRA が動きません)
同じキャラを大量に出す LoRA を作る(キャラ固定の記事)

まだ分かっていないこと

  • 「キャラ参照」が公式にはどの機能を指すのか。生成画面のツールバーには「参照」があり、公式ドキュメントにその項目の説明がありません
  • ControlNet のクレジット消費と、対応モデルの範囲。機能があることは確認しましたが、公式ドキュメントに項目そのものが無いので、単価も対応表も分かりません
  • img2img の Strength の推奨値。公式に記載がありません。どの値でどれだけ動くかは、自分で握るしかない部分です
  • Reference Pro のクレジット消費。公式のクレジット表に単価がありません
  • 参考画像が SDXL 系のどのモデルで使えるか。Tsubaki.2 が非対応であることは明記されていますが、対応側の一覧はありません
  • Reference Pro の出力を LoRA の学習素材にできるか。できるなら段階2から段階3への橋になります
  • 型3(絵柄だけを借りる)に当たる機能が PixAI にあるか。公式ドキュメントとモデル一覧には記載がありません。無いなら「絵柄が移らない」のは設定の問題ではないので、探すのをやめられます

出典

2026年9月6日確認。ControlNet についての記述は同日にアプリの画面で確かめたものです。9月7日に Reference Pro の限界の出典を引き直し、けもみみOC一貫性ガイドが出どころだと確認しました(Reference Pro のドキュメントと公式ニュースには記述がありません)。